医療法人 原三信病院
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反復性膝蓋骨脱臼

概要

反復性膝蓋骨脱臼(はんぷくせいしつがいだっきゅう)は、膝蓋骨が膝関節から繰り返し外れる病態を指します。主に10代後半から20代前半の女性に多く見られます。膝蓋骨は大腿骨の下の方に位置し、その動きは膝関節の他の部位と密接に関係しています。膝関節の外側にある太ももの筋肉が弱い場合や、膝関節の形状が異常な場合など、膝蓋骨が外れやすくなります。

原因・症状

一般的な原因には、以下のようなものがあります。
・太ももの筋肉が弱い
・膝関節の形状が異常
・外傷などにより膝蓋骨周囲の靭帯や骨が損傷した
・膝蓋骨の位置が不安定
・長時間膝を曲げた状態でいることが多い
反復性膝蓋骨脱臼の症状には、以下のようなものがあります。
・膝の痛み
・膝の外側に痛みがある
・膝を伸ばすことができない
・膝蓋骨が外れた後、膝が痛みやすくなる
・膝蓋骨が外れた後、膝が腫れる

検査

反復性膝蓋骨脱臼の診断には、以下のような検査が行われます。
・X線検査
・MRI検査
・膝関節の形状や筋力、バランスなどを評価する検査

治療

反復性膝蓋骨脱臼の外科的治療(手術)は、一般的には以下のような方法があります。
■内側増強術:内側側副靭帯を再建し、膝蓋骨が外側に脱臼するのを防止します。
■外側形成術:外側側副靭帯の再建に加え、外側の膝蓋骨顆と大腿骨顆の間にクッション材を挿入して、膝蓋骨が外側に脱臼するのを防止します。
■骨形成術:膝蓋骨が脱臼する原因となる骨の形態異常を修正する手術です。脱臼が起こりやすい場合は、骨切りや骨の形成を行い、正しい位置に固定します。
■筋腱移植術:膝蓋骨が脱臼した原因が、腸脛靭帯の弱点にある場合、腸脛靭帯を他の部位から取り出し、再建する手術です。
■リハビリテーション:リハビリテーションを受ける必要があります。リハビリテーションの目的は、患部の強化、関節可動域の回復、筋肉の柔軟性を改善し、機能回復を促進することです。