原三信病院の歴史・沿革
原三信病院の歴史
その昔、玄白より90年も前に、人体解剖図を物した蘭方医がいた
杉田玄白らの手によって日本最初の西洋解剖書の翻訳「解体新書」が世に出たのは、安永3年(1774年)。しかし、それに先立つこと約90年も前に1冊の西洋解剖書が翻訳されていた‥‥。時は慶長5年(1600年)、筑前52万石黒田藩の藩医として初代原三信は召し抱えられた。以後、代々三信の名を襲名し6代目を迎えたあるとき、時の藩主黒田綱政公の命を受け、長崎の出島へ留学の途に就くこととなる。当時唯一の西洋文明の窓口であった長崎で、2人のオランダ商館勤務医師“ヘンデレキ・ヲヲベイ”及び“アルブルト・コロウヌ”からオランダ流外科術を学び、数年後、蘭方外科医の免状を下付された。
このオランダ外科医の免状及び日本語翻訳付きの人体解剖図は、以来「一子相伝・門外不出」の家宝として今に受け継がれ、古く色褪せた朱塗りの桐箱の中で、しかし鮮烈に300年以上前の歴史の事実を伝えている。
黒田藩藩医として代々仕えた原家は、明治維新後の廃藩置県でその任務に終止符を打つことになります。十二代原三信はしばらくの間、県の医師として佐賀の乱などに従軍したあと、明治12年、外科医術開業の免状を受け現在地に開業、明治35年、十三代原三信はその時の診療所を基盤に九州初の私立病院(病床数30、泌尿器科)を開設します。
昭和30年、十四代原三信が医療法人三信会原病院を設立、やがて充実した医療の必要から診療科目が広がり、昭和42年、総合病院の許可を受け、地域の基幹病院として中核的役割をはたすことになります。
時代の変革と共に、立場は変わっても、変わらぬ「医のこころ」を受け継いで400余年、地域の皆さまに親しまれ信頼される病院であり続けたいと願っています。
日蘭交流の新しい輝きブールハーフェ・メダル
1986年、オランダの国立ライデン大学より原三信院長へ日本人で初のブールハーフェ ・メダルが贈られた。国立ロッテルダム博物館の「日蘭交流展」に原家伝来の資料が展示され、六代三信の蘭方外科術習得とその資料を今日まで伝えた功績が改めて評価されたもの。メダルは博物館の記念式典で、オランダ女王婿クラウス殿下ご臨席のもと、院長に手渡された。
原三信病院の沿革
慶長5年(1600) | 筑前52万石の黒田長政公より黒田藩藩医として召し抱えられる(以来、代々「三信」を襲名) |
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貞亨3年(1685) | 六代原三信が長崎出島オランダ館に留学 オランダ医師、アルブルト・コロウヌより蘭方外科医 免状を受ける |
明治12年(1879) | 十二代原三信、福岡県より外科医術開業免状を受け、現在地に開業 病院創立 |
明治35年(1902) | 十三代原三信、九州初の私立病院を設立(病床数30) |
明治36年(1903) | 愛宕下に分院設立 |
昭和30年(1955) | 医療法人三信会原病院設立(病床数69) |
昭和41年(1966) | 総合病院許可(病床数166) |
昭和44年(1969) | 人工腎臓室新設、病棟増床(病床数300) |
昭和54年(1979) | 創立百周年(病床数426) |
昭和61年(1986) | 結石破砕センター開設 オランダ国立ライデン大学より原三信理事長 (十五代)へ、ブールーハーフェメダル贈呈 六代原三信蘭方医三百年記念奨学会設立 |
平成3年(1991) | 循環器病棟開設(病床数 500) |
平成5年(1993) | 病院名を三信会原病院から原三信病院へ変更、平祐二院長就任 |
平成6年(1994) | 海外研修開始(韓国) |
平成7年(1995) | 訪問看護ステーション「おおはま」開設 |
平成8年(1996) | 医療法人明錬会香椎原病院と合併 |
平成10年(1998) | 日帰り手術開始(デイサージェリーセンター開設) 脳神経外科開設 原三信病院附属呉服町診療所開設 |
平成11年(1999) | 創立百二十周年 救急告示医療機関取得 |
平成12年(2000) | 香椎原病院療養型病床群完成(病床数 200) |
平成13年(2001) | 開放型病院認可 内視鏡センター開設 |
平成14年(2002) | 総合診療科開設 心臓・血管造影センター増設 電子カルテシステム運用開始 |
平成15年(2003) | 日本医療機能評価機構認定取得(一般病院B) |
平成16年(2004) | 画像診断システム運用開始 香椎原病院回復期リハビリテーション病棟開設(病床数 250) |
平成17年(2005) | 脳神経内科開設 |
平成18年(2006) | 外来化学療法室設置 原三信泌尿器クリニック開設 |
平成19年(2007) | 生活習慣病外来開設 物忘れ外来・神経泌尿器外来開設 |
平成20年(2008) | 日本医療機能評価機構認定更新(ver.5.0) 健康管理センターホテルドック開始 |
平成21年(2009) | 創立百三十周年 腎移植外来開始 PD外来・腎不全外来開始 |
平成22年(2010) | リンパ浮腫外来新設 時短正職員制度開始 |
平成24年(2012) | フットケア外来開設 ハイパーサーミア(温熱療法)外来開設 |
平成25年(2013) | 日本医療機能評価機構認定更新(ver.6.0) 人間ドック健診施設機能評価認定 歯科電子カルテシステム運用開始 |
平成26年(2014) | セカンドオピニオン外来開始 新東館、泌尿器センター(新棟Ⅰ期)オープン がん相談支援センター設置 |
平成27年(2015) | 腎臓病センター運用開始 |
平成28年(2016) | 東館(新棟Ⅱ期)オープン |
平成29年(2017) | 健康管理センター、内視鏡センター、DSセンターリニューアルオープン |
平成30年(2018) | 日本医療機能評価機構認定更新:(3rdG:Ver.1.1) 人間ドック健診施設機能評価更新(ver.3.0) 緩和ケア外来(精神・身体)開始 |
令和元年(2019) | 創立百四十周年 原直彦院長就任 地域包括ケア病棟開設(本館4階病棟 50 床) |
令和2年(2020) | 福岡県指定がん診療拠点病院認定 入退院支援センター開設 新型コロナウィルス感染症協力医療機関指定病院(病床運用開始)認定 |
令和3年(2021) | 男性尿失禁外来開設 |
令和4年(2022) | 地域がん診療連携拠点病院認定 |
令和5年(2023) | 日本医療機能評価機構認定更新:(3rdG:Ver.2.0) 紹介受診重点医療機関認定 |