膝前十字靭帯損傷
概要
膝前十字靭帯損傷は、膝の内側にある前十字靭帯が部分的または完全に破損した状態を指します。膝の安定性が失われ、運動時に痛みや腫れ、膝の不安定感が現れることがあります。
原因・症状
膝前十字靭帯損傷の原因としては、急激な膝への外力が加わったことが挙げられます。スポーツ中の転倒や着地時の強い衝撃、交通事故などが原因となります。
膝前十字靭帯損傷の症状には、膝の痛みや腫れ、不安定感、膝を伸ばす際の痛みや引っかかる感覚などがあります。歩行時に膝が外側にずれる場合があるため、歩行にも支障をきたすことがあります。
検査
膝前十字靭帯損傷の診断には、MRI検査が一般的に用いられます。また、膝の関節内に液体がたまっている場合は、膝関節穿刺検査を行うこともあります。
治療
■保守的治療:膝を安静にし、物理療法や炎症を抑えるための薬の処方が行われます。
■外科的治療(腱移植術):膝の前十字靭帯に近い場所から腱を切り取り、新しい前十字靭帯として再建します。
■外科的治療(膝関節鏡下前十字靭帯再建術):膝関節に小さな切開をして、内視鏡を用いて前十字靭帯を再建します。腱の再建に使用する場合が多く、切り取った腱を内視鏡を通じて膝関節内に運び、再建します。
■リハビリテーション:リハビリテーションを受ける必要があります。リハビリテーションの目的は、患部の強化、関節可動域の回復、筋肉の柔軟性を改善し、機能回復を促進することです。