肘部管症候群
概要
肘部管症候群は肘の内側にある肘管という神経や血管が圧迫されることによって起こる神経症候群の一つです。しびれや痛みを引き起こすことがあり、主に手首から先の感覚を司る神経である正中神経が圧迫されることが多いです。肘部管症候群は、長時間同じ姿勢での作業や、反復動作などが原因となることが多く、手首や指の運動障害を引き起こすことがあります。
原因・症状
肘部管症候群の主な原因は、肘管周囲の組織の圧迫や炎症によって起こるものです。以下に、肘部管症候群の主な症状を示します。
・手首から先のしびれや痛み
・手首や指の運動障害
・手首や指の力が弱くなる
・手首から先の感覚が鈍くなる
・手首から先にピリピリとした痛みが走る などがあります。
検査
肘部管症候群の診断には、神経学的検査が必要です。主に、正中神経の感覚や運動機能の検査が行われます。また、MRIやCT検査を行うことで、肘管周囲の状態を確認することができます。
治療
肘部管症候群の治療には、主に以下の方法があります。
■保守的治療:初期段階では、肘部管症候群を改善するための保守的な治療が行われます。これには、手首や腕の繰り返しの動きを減らすための運動制限、ストレッチ、保護、氷や熱を使った治療、痛みや炎症を軽減するための非ステロイド性抗炎症薬の投与などが含まれます。
■外科的治療(手術):保守的治療などで改善されない場合は、手術が必要になることがあります。肘部管症候群の手術は、通常、肘の内側から行われ、肘部管内の神経を圧迫する原因となる組織を切除することで行われます。
■リハビリテーション:リハビリテーションを受ける必要があります。リハビリテーションの目的は、患部の強化、関節可動域の回復、筋肉の柔軟性を改善し、機能回復を促進することです。