医療法人 原三信病院
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腱板断裂性関節症

概要

肩の腱板は、上腕骨の頭部を被うように存在する4つの筋肉の腱が合わさって形成されている部位です。この部位の腱が損傷や断裂を起こすと、肩関節の安定性が損なわれ、肩の運動制限や痛みを引き起こすことがあります。

原因・症状

腱板断裂関節症の原因は、肩関節周囲の負荷や怪我、加齢による変性などが考えられます。主な症状としては、肩の痛みや運動制限が挙げられます。また、腕を上げる動作や物を持ち上げる動作が困難になることがあります。
・運動など:スポーツ中の急な転倒や衝突、肩に強いストレスがかかる動作によって、腱板が断裂することがあります。
・長期的な使用や過度の負荷: 長期間の肩の過度の使用、反復動作、あるいは重い物の持ち運びなどが、腱板の摩耗や損傷を引き起こすことがあります。
・加齢: 年齢を重ねると、腱板の組織が弱くなることがあり、簡単に損傷を受けやすくなります。
腱板断裂関節症の症状には、一般的に
・激しい肩の痛み: 腱板断裂により、肩の痛みが生じます。痛みは突然現れることもあります。
・肩の運動制限: 肩を動かす際に痛みを感じるため、腕を上げる、回す、後ろに引くなどの動作が制限されることがあります。
・肩の弱さ: 腱が損傷しているため、肩の力が弱くなり、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。

検査

痛み、可動域の制限、弱さなどの症状を確認します。X線、MRI、超音波などの検査を行うこともあります。
■フィジカルテスト: 肩の動作で痛みや可動域の制限を確認します。
■MRI検査:肩の詳細な内部構造を確認するために使用されます。断裂の程度や位置を評価するのに役立ちます。

治療

腱板断裂関節症の治療は、症状の程度や生活スタイルに即した肩の動きによって異なりますが、以下のような方法が一般的に使用されます。
■保存的治療: 軽度の腱板断裂では、安静にして肩に負担をかけないようにすることで自然治癒する場合があります。炎症を和らげるために氷や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用も行う場合があります。
■外科的治療(腱板修復術):手術で切れた腱板を再接着する方法です。腱板を縫合するために、ワイヤー、ステープル、または縫合糸を使用します。
■外科的治療(肩峰形成術):肩峰骨を修復し、腱板を固定するための手術です。
■外科的治療(関節鏡下手術):関節鏡を使用して手術を行う方法で、小さな切開をして腱板を修復します。
■リハビリテーション: 物理療法やエクササイズを通じて肩の強化や柔軟性の向上を図ることで、痛みの軽減や機能回復を促進します。