医療法人 原三信病院
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陰茎がん

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概要

陰茎がんは、陰茎の皮膚や組織で発生する悪性腫瘍です。通常、発育が遅く、初期段階では症状が現れにくいことがあります。陰茎がんは比較的まれながんですが、早期発見と治療の重要性を強調する必要があります。

原因・症状

陰茎がんの具体的な原因は不明ですが、いくつかのリスク要因が関連していると考えられています。以下は一部のリスク要因です
■ヒトパピローマウイルス(HPV)感染:特定のHPVタイプが陰茎がんのリスクを増加させることがあります。
※HPV感染は一般的であり、多くの場合、感染しても症状が現れないか、自然に治癒します。ただし、一部の感染は持続し、悪性の変化を引き起こす可能性があります。予防策としては、HPVワクチンの接種が推奨されています。
■真性包茎:包皮が陰茎の先端を常に覆っている状態(真性包茎)である場合、がんの発生リスクが高まる可能性があります。
■喫煙:喫煙は陰茎がんの発生リスクを増加させる要因として関連付けられています。

陰茎がんの症状には、以下のようなものがあります。
■陰茎の腫れやしこり 腫瘤形成
■陰茎の色の変化(赤みや斑点)
■陰茎のかゆみや痛み
■下部腹部や鼠径部の腫れ(進行した場合)

検査

■血液検査:陰茎がんの初期段階では、一般的な血液検査ではがんを直接検出することはできません。ただし、特定のマーカー(たとえば、SCC抗原など)の血液中のレベルを調べることで、がんの進行や治療効果を監視することができる場合があります。
■超音波検査:超音波を使って陰茎の中を観察し、腫瘍の有無やその大きさを確認します。超音波検査は非侵襲的で痛みもありません。
■CT検査:CTは、詳細な断層画像を提供し、陰茎の周囲の組織の異常や,転移の有無を検出するために使用されます。必要に応じて、造影剤を使用することもあります。
■MRI検査:CTと同様に陰茎の周囲の組織の異常,特に 深さや広がりを描出するのに役立ちます。
■生検:腫瘍の性質を詳しく調べるために、生検が行われる場合があります。生検では、麻酔を行い陰茎腫瘍部の細胞や組織を採取します。また、真性包茎で腫瘍部が正確に露出できない場合は、同時に包茎の手術を行います。この採取した細胞や組織を病理学的に検査し、腫瘍が良性か悪性かを判断することができます。

治療

薬物療法

■抗がん剤療法:がん細胞を攻撃する治療法です。リンパ節転移がある場合や、遠隔転移がある場合に、リンパ節郭清と合わせて、行われることがあります。抗がん剤療法は,診断時に手術不可能と考えられる進行例では、手術前に行われることもあります。

手術療法

■腫瘍部の部分切除:がんの大きさが小さい場合で、悪性度の低い、早期のがんが見つかった場合に行われることがあります。
■陰茎部分切除術:がん組織も含めて正常組織をつけて陰茎を部分的に切断し,残った部分で,尿道の出口を形成する方法です.陰茎の先端部分にがんが発生した時に行います。陰茎は短くなりますが、 ある程度の機能を残すことができます。
■陰茎全切断術:進行したがんの場合や、陰茎の根元近くに発生したがんの場合、陰茎全体を切除する場合があります。 この手術後は、 立位排尿は困難となります。

放射線治療

■放射線療法:高エネルギーのX線を使用して、がん細胞を破壊する治療法です。放射線療法は手術後や転移の部位に行われることもあります。