子宮内膜症
概要
子宮内膜症とは子宮内膜と類似した組織が子宮内膜以外の場所(腹膜や卵巣)で発生し、増殖する病気です。炎症や癒着を引き起こし、強い月経痛や下腹部痛、腰痛、性交痛といった症状で判明することが多いです。特に、卵巣内にできた内膜症組織は、出血を繰り返してチョコレート色の古い血液が貯留するため「チョコレート嚢胞」と呼ばれます。
原因・症状
■原因:月経血が卵管経由で腹腔内に逆流し子宮内膜組織が腹膜や卵巣に定着、内膜症に発展するという説(子宮内膜移植説)や腹膜が何らかの要因で子宮内膜に変化し内膜症を引き起こすという説(体腔上皮化生説)などがありますがまだはっきりとした原因はわかっていません。
■症状:月経痛や月経時以外の下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛などがあげられます。月経の回数を重ねるとともに痛みが増強することが多いです。腹腔内で癒着を引き起こすため不妊の一因となることもあります。
■症状:月経痛や月経時以外の下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛などがあげられます。月経の回数を重ねるとともに痛みが増強することが多いです。腹腔内で癒着を引き起こすため不妊の一因となることもあります。
検査
■内診:触診を行い圧痛の有無、癒着の有無を確認します
■経腟超音波検査:子宮、卵巣を確認し、内膜症病変の有無、サイズ、形状を確認します。特に卵巣に内膜症ができている場合、卵巣が腫大し内部に血液が貯留しているのが確認できます。
■MRI検査:卵巣や子宮に内膜症性病変が認められた場合、MRIを撮影しさらにサイズ、形状などを確認します
■血液検査:腫瘍マーカーのCA19-9やCA125が上昇することがあります。
治療
主にホルモン治療と手術療法に大別されます
薬物治療
■対症療法:疼痛改善目的に鎮痛剤や漢方薬を使用することがあります。
■ホルモン治療:低用量ピル、第世代黄体ホルモン(ジエノゲスト)、アゴニスト等があげられます。
手術療法
■チョコレート嚢胞:若年者(一般的には歳以下)の方にはチョコレート嚢胞摘出術を行い、正常卵巣部分は温存します。ほとんどの場合、腹腔鏡下手術で施行可能です。挙児希望がない方、歳以上の方はより根治性を高める目的で付属器(卵巣+卵管)摘出術を行うことが一般的です。付属器摘出術も腹腔鏡下手術で施行可能です。月経痛や腰痛、排便痛の原因となる癒着も可能な限り腹腔鏡下手術で剥離を行います。
術後は薬物療法を併用することで再発を防ぐことができます。