大腿骨骨頭壊死
概要
大腿骨頭壊死は、骨の中にある血管が詰まったり、破れたりして、骨細胞が死滅してしまうことで起こります。そのため、骨が壊死し、形が変わってしまうことがあります。主に若い男性に多く、股関節周辺の痛みや歩行困難を引き起こすことがあります。
原因・症状
大腿骨頭壊死の原因としては、以下のようなものが考えられます。
■ステロイド薬の長期使用
■アルコールの過剰摂取
■関節に対する外傷
■肥満などの体重過多
■高度な骨粗しょう症などの骨代謝異常
壊死が進行すると、股関節周辺に痛みが生じ、歩行困難や股関節の可動域が制限されることがあります。
検査
大腿骨頭壊死の診断には、X線検査、MRI検査、CT検査などの画像検査が一般的に行われます。病巣の位置や大きさ、進行度合いなどを把握するために、血液検査や骨密度測定も行われることがあります。
治療
■保存的治療:軽度の大腿骨頭壊死では、保守的な治療法が適用される場合があります。保守的治療法には、骨を休めるための松葉杖の使用や、痛みや炎症を抑えるための薬物療法が含まれます。
■外科的治療(手術):進行した大腿骨頭壊死では、外科手術が必要な場合があります。代表的な外科手術には、以下のものがあります。
◉コアトラクション(骨髄穿刺):骨髄細胞を採取し、骨の再生を促します。
◉骨形成促進剤注入:骨形成促進剤を注入することで、骨の再生を促します。
◉骨移植:他の場所から骨を取り出し、大腿骨頭に移植することで、骨の再生を促します。
◉人工骨頭置換術:人工骨頭を大腿骨頭に置換することで、骨の再生を促します。
■経過観察:軽度の大腿骨頭壊死でも、定期的な経過観察が必要な場合があります。経過観察は、骨の再生状態や病気の進行度合いを確認するために、定期的にX線検査やMRI検査を行うことが含まれます。
■リハビリテーション:リハビリテーションを受ける必要があります。リハビリテーションの目的は、患部の強化、関節可動域の回復、筋肉の柔軟性を改善し、機能回復を促進することです。