医療法人 原三信病院
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間質性肺炎

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概要

肺は、肺胞と呼ばれる小さな袋がたくさん集まって形成されています。口や鼻から吸い込んだ空気はのどの気道を通って肺に運ばれます。肺胞の壁から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。この肺胞の壁や周囲の組織を「間質」、中の部分を「実質」と呼びます。健康な肺では、たとえ「間質」に炎症や損傷が起こっても修復されます。間質性肺炎では、長年にわたって炎症や損傷が継続します。傷がついては修復をするということを繰り返すと、徐々に「間質」が線維化してしまいます。間質が線維化すると、酸素の取り込みが悪くなります。また、肺が膨らみにくくなり、肺活量が少なくなります。進行すると呼吸不全になります。肺の線維化は進行すると元には戻りません。

原因・症状

原因は、環境因子、自己免疫疾患、特定の細菌やウイルスによる感染症、薬物・漢方による副作用などがあります。一方で、原因不明の間質性肺炎も多く、これは特発性と呼ばれます。

急性経過をたどる間質性肺炎では、呼吸困難、発熱、胸の痛み、疲労感などが出現します。慢性経過をたどる間質性肺炎では、初期には無症状であることが多いです。進行してくると、乾性咳嗽、呼吸困難、喀痰、体重減少などが出現します。これらの症状は、肺の損傷による炎症によるもので、病状の進行によって重症化することがあります。進行すると呼吸不全になることもあります。

検査

肺機能検査や血液検査、胸部レントゲン検査、CT検査などを行います。

  • 胸部レントゲン検査またはCTスキャン:肺の異常や損傷の程度を調べるため画像を撮影します。
  • 肺機能検査:肺活量や拡散能などの肺の機能を調べます。
  • 血液検査:マーカーや特定の抗体などの検査をすることで、炎症の特定に役立ちます。

治療

治療は主に薬物療法や対症療法などを行います。

  • 薬物療法:急性期ではステロイド薬などの抗炎症薬や免疫系の過剰な反応を抑えるため、免疫抑制薬を使用します。慢性進行性の病態には、抗線維化薬を使用します。
  • 対症療法:禁煙、酸素療法やリハビリテーションなど、症状の軽減や患者の生活の質の向上を図るための様々なアプローチを行います。