理事長・院長あいさつ

原三信病院は江戸時代から続く「医家」の伝統を継承し、明治維新になって新制度の元、医院を開業し、歴史の荒波を乗り越えて医療を続けてきています。元々は泌尿器科を中心とした病院から総合病院へとなった病院です。地域の役に立つ民間病院になるにはどうしたらよいかを模索して、質の高い医療の追求、居心地の良い環境の提供、心のこもったサービスの実践を全職員で実践しています。
医学は目覚ましく発展していきます。医療技術もICTの発達にともなって大きく変化し、ロボット支援手術も実施されるようになりました。また、ゲノム解析も進み、分子標的薬などの出現で抗がん剤による治療も様変わりしてきています。
しかし、医療に携わる人間として「病める人への思いやりの心」はこれまで以上に大切になってきていると考えます。全職員とともに「病人のための病院」という理念の元、一人ひとりに寄り添って、常に適切な医療を提供できる病院でありたいと思っています。

当院は、1879年（明治12年）に12代原三信が現在地に開業して以来、「恕」の精神をもって地域医療に努め、その年月を重ねてまいりました。その医療の歩みは、伝統を受け継ぎ、継続していくと共に、常に新しい医療にも積極的に取り組んできた歴史があります。
昭和40年代には、市内で初めての人工血液透析センターを開設し、また15代原三信は、経尿道的内視鏡治療の先駆者的役割を果たしました。昭和50年代には、九州初の尿管結石破砕装置を導入、60年代には血液疾患治療に不可欠な無菌室の設置を行い、骨髄移植治療にもいち早く取り組みました。平成になって腹腔鏡下内視鏡手術、さらにがん治療においても、外来化学療法室の設置、放射治療開始、温熱療法の導入など常に患者さんが必要とされる様々な治療法を積極的に取り入れ、現在は、いわゆるロボット手術も泌尿器科、外科領域を中心に行っています。
私たちは、患者さんのために、病院はいかにあるべきか、何をなすべきかと常に問いかけながら、身体だけでなく、患者さん、そしてご家族の心にも寄り添うことのできる医療をこれからも続けていくという使命感を持って努力してまいります。