造影検査
どんな検査?
X線造影剤(目的とする臓器や血管を画像で見やすくするための薬)を投与することで、より詳しい画像を得るために行う検査です。体内に投与した造影剤によってX線の吸収率が異なることを利用した検査法です。
造影剤の種類
■硫酸バリウム製剤:白い液体の造影剤で、便などと一緒に肛門より排泄されます。胃透視、注腸、小腸透視のような消化管造影検査に使用されます。
■ヨード製剤:無色透明の液体の造影剤で、尿と一緒に排泄されます。(一部は胆汁中に排泄)多くの種類があり、腎臓、尿管、尿道、膀胱などの泌尿器科系造影検査や関節腔造影、脊髄腔造影などの整形外科系造影検査、またCT検査1)、心臓カテーテル造影検査、血管造影検査でも使用されていて、造影検査では最もよく使用されている造影剤です。
■ガドリニウム製剤:無色透明の液体の造影剤で、尿と一緒に排泄されます。MRI検査2)専用の造影剤です。喘息のある方には使用できません。
造影剤の投与法
■経口投与法:食道・胃・小腸等の消化管などの検査で、口から直接飲み込んでもらう方法
■静脈注入法:手や足の静脈に注射をして目的の臓器を写し出す方法
■直接注入法:目的部位に注射や管を通して直接注入する方法
目的とする部位や臓器の機能によって色々な投与法を使い分けて検査をしています。
何がわかるの?
特定の臓器や血管を写し出し、診断しやすくなります。
■特定の臓器・血管・病巣の位置や形状および機能・動態
検査時間・検査方法
検査時間・検査法は、検査部位によって異なります(該当する検査の資料を参考にしてください)。
その他
注意すること
●妊娠されている方、またはその可能性のある方はお申し出ください。
●検査終了後、造影剤をすみやかに体外に排泄させるために、水分を充分に摂取してください。(消化管造影検査をされている方には下剤をお渡しします)ただし、水分制限がある方は、医師の指示に従ってください。
●造影剤による副作用3)がまれに発症します。(発疹・発赤・痒み・吐気・嘔吐など)
●遅発性副作用4)が発生したら検査を受けた病院へ連絡をとり、造影検査を受けたことを伝えてください。
用語・略語解説
1)CT検査 | Computed Tomography (コンピュータ断層撮影)のことをいいます。 X線を使って身体の断面を撮影する検査です。 |
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2)MRI検査 | Magnetic Resonance Imaging (磁気共鳴画像検査)のことをいいます。 磁気と電磁波を利用して体の中の様子を画像化する検査です。 |
3)副作用 | 薬(造影剤を含む)を投与したことが原因で何らかの症状が発生することをいい ます。 ■硫酸バリウム製剤の副作用:排便困難、便秘、一過性の腹痛、下痢、吐気、嘔吐や、まれにかゆみ、蕁麻疹等があります。 ■ヨード製剤の副作用:吐気、嘔吐などの消化管症状、かゆみ、蕁麻疹などの皮膚症状があります。 極めてまれに、呼吸困難、急激な血圧低下、心停止、意識消失等の重篤な副作用を起こすことがあります。 ■ガドリニウム製剤の副作用:ヨード製剤に比べ安全性が高く、副作用の発生率も低いですが、以下の副作用が報告されています。 軽い副作用:かゆみ、発疹、吐気 約1%程度 重い副作用:呼吸困難、血圧低下、意識障害 1万人に1人 重篤な副作用:死亡 100万人に1人 ■過去に造影剤を使用して副作用が出たことがある方や喘息、アレルギー歴、心疾患歴のある方は、無い方と比較して発生頻度が高いことが報告されています。 |
4)遅発性副作用 | 副作用は、造影剤投与直後から起こることがほとんどですが、投与後しばらくしてから(30わから2日)発生する、遅発性副作用(頭痛、発疹、皮膚のかゆみ、吐気)があります。 |