令和6年度 原三信病院 病院指標
令和6年度 原三信病院 病院情報の公表
病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | - | 130 | 234 | 275 | 482 | 837 | 1,274 | 2,163 | 1,210 | 297 |
- 当院をご退院された退院患者さんの入院時の年齢を10歳刻みで階級別に集計しています(90歳以上は1つの階級にまとめています)
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 | 48 | 5.08 | 3.03 | 2.08 | 70.56 | |
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) | 42 | 24.57 | 16.40 | 9.52 | 81.14 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | 32 | 21.84 | 20.78 | 15.62 | 86.47 | |
0400802299x000 | 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) | 28 | 10.39 | 8.13 | 3.57 | 42.39 | |
040100xxxxx00x | 喘息 | 15 | 8.27 | 6.38 | 6.67 | 56.33 |
解説)
呼吸器科では、肺がん・呼吸器感染症・気胸・気管支喘息・間質性肺炎などの疾患を診療しています。
当院で最も多いのは悪性腫瘍の検査入院で、肺がん(疑いを含む)に対して気管支鏡検査や経気管肺生検法などを行う症例です。3日間の入院で検査を行い、検査結果は外来受診時に説明しています。診断のために肺の切除が必要な場合や、治療としての手術が必要な場合は、外科で対応をしています。また放射線治療が必要な場合は、当院の放射線科と連携して治療にあたっています。肺がんは検査入院だけでなく、化学療法の入院も多いのですが、使用する薬剤や併用する治療法によってDPCコードが細かく分かれているため、上位5分類に入っていないものが複数あります。
次に多いのは肺炎で、特に75歳以上の高齢者の肺炎が患者数も多く、在院日数も長くなっています。感染症としての肺炎は若い世代にもみられますが、誤嚥性肺炎はご高齢の患者さんがほとんどです。誤嚥性肺炎は飲み込む力が弱まっている高齢者や、脳梗塞など別の病気が原因でうまく飲み込むことのできない人に多く見られます。他診療科で入院中に誤嚥性肺炎を起こしたため、当診療科へ転科となるケースもあります。誤嚥は繰り返すことが多いので、転院や施設への退院をして今後の生活も見守ることも重要です。
また、喘息の治療も行っています。発作で入院される患者さんが多く、入院期間はおよそ1週間です。吸入や点滴で症状を落ち着かせた後、再発予防のための治療を継続していきます。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 | 34 | 13.71 | 8.88 | 5.88 | 77.74 | |
060340xx99x0xx | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 | 27 | 14.85 | 9.45 | 18.52 | 78.30 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 23 | 12.35 | 13.66 | 0 | 76.61 | |
060350xx99x0xx | 急性膵炎、被包化壊死 | 22 | 9.41 | 10.54 | 4.55 | 56.59 | |
060050xx99000x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) | 21 | 5.90 | 8.13 | 0 | 70.24 |
解説)
肝胆膵内科は、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓などの疾患全般を診療します。
悪性腫瘍をはじめ、急性膵炎、急性胆のう炎・胆のう結石症や胆管炎・胆管結石やその他の肝機能障害など多岐にわたって診療しています。
まず多いのは胆管結石が原因でおこる胆管炎や胆嚢炎です。胆管に石がつまって胆汁の流れが滞ると、発熱や黄疸を伴って重症化することがあります。当科では主に内視鏡を用いた胆石除去やドレナージ治療を行っています。
開腹もしくは鏡視下の手術が必要となった場合は、外科へ転科の上、連携して治療を継続します。
また、「急性膵炎」 は突然の激しい腹痛で始まり、重症化すると全身に影響が及びます。主に薬での治療を行います。
そして悪性腫瘍では肝細胞癌や転移性肝癌の入院が多いです。上位5分類では5番目に位置していますが、これは手術や処置を行わなかった入退院のみの数であり、主に肝細胞癌疑いの患者さんへの生検術が該当します。手術や処置を行った場合を含めると、当科では胆管炎等の次に入院数が多い疾患です。肝臓癌の治療は肝切除、ラジオ波焼灼療法、動脈化学塞栓術、放射線治療などがあります。そのため患者さんの癌の状態の評価が重要となります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx9900x0 | 心不全 | 67 | 25.03 | 17.33 | 13.43 | 83.55 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 | 45 | 5.76 | 4.18 | 0 | 66.22 | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈 | 28 | 12.54 | 9.59 | 0 | 77.50 | |
050070xx03x0xx | 頻脈性不整脈 | 21 | 5.62 | 4.47 | 0 | 69.90 | |
050170xx03000x | 閉塞性動脈疾患 | 21 | 7.48 | 5.15 | 0 | 73.48 |
解説)
循環器科では、心臓疾患全般(心筋梗塞・狭心症・心不全・不整脈など)や血管疾患(特に下肢閉塞性動脈硬化症など)を診療しています。
当科で最も多い「心不全」は、加齢によるものや、高血圧などほかの病気が原因で心臓の機能が低下することで起きます。心不全の原因によって治療方針が変わるため、検査を行いながら必要に応じて投薬や処置を行います。
その他には
- 心臓の動脈である冠動脈が細くなったり詰まりかけることで起きる「狭心症」、冠動脈が完全に詰まることで起きる「心筋梗塞」に対する経皮的冠動脈形成術や経皮的冠動脈ステント留置術
- 「心房細動」「心房粗動」(脈が不規則もしくは規則的に正常よりも速くなる不整脈)などに対する経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)
- 動脈が硬く変化することより主に足の動脈が狭くなったり詰まったりする「閉塞性動脈硬化症」に対する血管拡張術やステント留置術
- 「徐脈性不整脈」(脈が正常よりも遅くなる不整脈)に対する永久ペースメーカー植え込み術 などを行っています。
また心臓疾患は生活習慣病である高血圧や糖尿病、脂質異常症などとも深くかかわり合いのある疾患ですので、糖尿病内科や腎臓内科などほかの診療科とも連携して診療にあたっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) | 128 | 5.23 | 4.54 | 0 | 67.84 | |
060335xx0200xx | 胆嚢炎等 | 56 | 6.63 | 7.05 | 0 | 55.80 | |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 | 38 | 12.16 | 9.77 | 0 | 65.29 | |
060035xx0100xx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 | 34 | 19.09 | 14.81 | 0 | 75.53 | |
060150xx02xxxx | 虫垂炎 | 24 | 7.04 | 9.49 | 0 | 41.88 |
解説)
外科では、消化管・肝胆膵・乳腺・甲状腺・呼吸器などの疾患を診療しています。
2024年7月から消化器病センターを設置し、消化器内科・肝胆膵内科と連携して消化器科全般の病気に速やかに対応できるように体制が整いました。
当院では俗に「だっちょう」と呼ばれる鼠径ヘルニア、「もうちょう」と呼ばれる虫垂炎など、一度は耳にしたことがある身近な病気から、悪性腫瘍(がん)まで幅広く診療しています。
消化器疾患だけでなく、乳房や肺などの診療も行っており、いわゆる5大がん(胃がん、大腸がん、肝がん、肺がん、乳がん)に対応できるようにしています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) | 88 | 19.85 | 12.71 | 0 | 27.86 | |
160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 | 59 | 27.19 | 25.29 | 72.88 | 82.95 | |
160610xx01xxxx | 四肢筋腱損傷 | 41 | 37.95 | 16.15 | 0 | 71.07 | |
070085xx97xx0x | 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外) | 39 | 18.41 | 13.17 | 0 | 45.28 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) | 37 | 30.24 | 21.38 | 0 | 72.19 |
解説)
整形外科では、外傷性疾患・変形性関節症・スポーツ外傷・腱板/関節脱臼疾患・脊椎疾患・骨粗鬆症関連疾患を治療しています。
2018年3月より、まえだ整形外科 博多ひざスポーツクリニック との連携(開放型病院)を開始しており、膝関節に関わる症例が最も多いことが特長です。
まえだ整形外科で診断後、当院にて手術を行います。スポーツ外傷が多いため、他の疾患に比べ平均年齢が低い傾向にあります。
その他の症例では高齢者の股関節・ふともも付け根の骨折が多くみられます。加齢により骨がもろくなっている場合など、転んだだけで骨折してしまうことがあります。その場合入院期間が長くなりやすいため、入院中に活動量が減ってしまいます。少しでも元の生活に近い動きができるように、当院での治療後はリハビリを十分に行えるリハビリ専門病院との連携を促進しています。そのために年齢だけでなく転院率も他の症例に比べ高くなっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 19 | 8.42 | 7.99 | 5.26 | 62.84 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 17 | 14.71 | 9.83 | 5.88 | 70.29 | |
010060xx99x40x | 脳梗塞 | 16 | 18.31 | 16.89 | 37.50 | 68.25 | |
010060xx99x20x | 脳梗塞 | - | - | 16.94 | - | - | |
010160xx97x00x | パーキンソン病 | - | - | 18.74 | - | - |
解説)
脳神経外科では、主に頭頸部(頭部外傷・脳血管障害・脳腫瘍・水頭症・機能的疾患)の疾患を診療しています。
多いのは頭部の外傷で、頭部打撲をはじめ、脳しんとう、脳挫傷、硬膜下血腫、くも膜下血腫など「頭をぶつけたことが原因で発症した」疾患があげられます。特に頭部打撲は、頭をぶつけたその日は症状が軽くても、数週間~数ヶ月と時間が経過してから症状がでることがあるので注意が必要です。時間をかけて硬膜とくも膜の間に血腫ができて脳が圧迫され、頭痛や認知機能の低下など様々な障害が発生します。
また、脳梗塞は脳血管内専門医が2名常勤しており、脳血管に詰まった血栓を取り除く血栓回収療法や血栓溶解療法などの緊急対応も24時間可能となっております。
パーキンソン病については、2022年度から外部の専門医師と連携して脳刺激装置交換術を行っており、現在も引き続き連携して診療にあたっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060xx99x20x | 脳梗塞 | - | - | 16.94 | - | - | |
010230xx99x00x | てんかん | - | - | 6.89 | - | - | |
010200xx99x00x | 水頭症 | - | - | 6.44 | - | - | |
010220xxxxxxxx | その他の変性疾患 | - | - | 16.48 | - | - | |
010060xx99x21x | 脳梗塞 | - | - | 30.25 | - | - |
解説)
脳神経内科では、主に脳血管障害・神経変性疾患・免疫神経疾患・てんかんなどの疾患を診療しており、排尿症状に関連した神経疾患の診療は泌尿器科と連携して行っています。
脳血管から神経系まで診療が多岐に分かれるため、DPCコードのばらつきが多い診療科でもあります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍 | 506 | 3.23 | 2.45 | 0 | 70.45 | |
11012xxx02xx0x | 上部尿路疾患 | 244 | 5.81 | 5.16 | 0.82 | 62.57 | |
11013xxx02xxxx | 下部尿路疾患 | 133 | 6.32 | 5.49 | 0 | 69.25 | |
110420xx02xxxx | 水腎症等 | 131 | 4.24 | 4.07 | 0.76 | 67.18 | |
110200xx02xxxx | 前立腺肥大症等 | 120 | 9.05 | 7.77 | 0 | 72.88 |
解説)
泌尿器科は医師15名を有し、泌尿器科疾患全般(泌尿器科領域悪性腫瘍・尿路結石・前立腺肥大症・骨盤内臓器脱・尿失禁・排尿障害・性機能障害・男性不妊など)の診療を行っています。
患者数が最も多いのは前立腺がんが疑われる患者様に対する前立腺生検で、当院ではMRIと経直腸エコーの画像を融合させて正確な標的生検を行うことが可能です。次に症例が多いのは尿路結石症、そして前立腺肥大症となっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120090xx97xxxx | 生殖器脱出症 | 107 | 8.67 | 7.74 | 0.93 | 70.87 | |
120060xx02xxxx | 子宮の良性腫瘍 | 103 | 7.36 | 5.88 | 0 | 48.66 | |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 | 47 | 7.30 | 5.97 | 0 | 47.57 | |
120220xx01xxxx | 女性性器のポリープ | 45 | 2.93 | 2.72 | 0 | 41.04 | |
120100xx01xxxx | 子宮内膜症 | 42 | 7.57 | 6.69 | 0 | 43.29 |
解説)
婦人科では、一般婦人科全般(子宮・卵巣・生殖器脱などの良性疾患)を診療しています。
近年増加傾向にある骨盤内臓器脱の診療にも力を入れており、必要に応じて泌尿器科とも連携しながら治療を行っております。
2023年8月からは3D内視鏡支援システムを用いた手術(ロボット支援手術)も導入しています。その他にも腹腔鏡、子宮鏡による手術を積極的に行い、身体的負担の軽減と在院日数の短縮に取り組んでいます。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) | 12 | 13.75 | 13.77 | 0 | 62.75 | |
100040xxxxx00x | 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 | - | - | 13.07 | - | - | |
10006xxxxxx1xx | 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) | - | - | 12.60 | - | - | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | - | - | 13.66 | - | - | |
10008xxxxxx1xx | その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) | - | - | 18.56 | - | - |
解説)
糖尿病内科では、糖尿病疾患の診断・治療・予防教育を実施しています。
糖尿病には大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病がありますが、当院のほとんどが2型糖尿病の症例です。2型糖尿病は生活習慣病のひとつにも数えられており、血糖コントロールが不良になるとさまざまな症状を起こし、いろいろな合併症を招きます。糖尿病は薬物療法だけでなく、日ごろの食事や運動などの生活習慣から整える必要があるため、患者さんご自身にも正しい知識をもっていただく必要があります。糖尿病に関する教育入院では、食事や栄養、運動などについて専門家からの教育を受けることができます。
また、他の診療科に入院される方で糖尿病のコントロールが必要な場合は、入院主治医と連携して治療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx9900xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | 21 | 14.62 | 11.35 | 4.76 | 71.14 | |
110280xx9901xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | 18 | 28.61 | 13.75 | 11.11 | 71.89 | |
110280xx02x1xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | 14 | 42.07 | 33.81 | 0 | 72.93 | |
110280xx02x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | 11 | 6.55 | 7.38 | 0 | 64 | |
110280xx991xxx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | - | - | 6.01 | - | - |
解説)
腎臓内科では、腎炎・ネフローゼ症候群・腎不全など腎臓の疾患全般を診療しています。
比較的軽症で経過観察や薬物治療が中心の方は、入院期間が1週間前後と短めですが、腎機能が低下していて集中的な治療や透析導入が必要な方は、入院期間が3~6週間と長くなることがあります。
最も多いのは慢性腎臓病(CKD)に対する治療です。血液検査のクレアチニン値、性別、年齢の3つから割り出したeGFRという値によって腎機能は5段階のステージに分けられますが、5段階のうち最も重症なのはステージ第5期で末期腎不全とも呼びます。末期腎不全になると腎臓がほぼ機能していない状態のため、腎臓の機能を肩代わりしてくれる腎代替療法を導入する必要があります。腎代替療法には透析療法や腎移植などがありますが、当院は透析療法の導入対応施設でもあり、バスキュラー・アクセス造設術や腹膜透析カテーテル留置術は自科で実施しています。
また他の診療科で入院となった患者さんで透析療法が必要な場合は入院主治医と連携して治療にあたります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99x5xx | 非ホジキンリンパ腫 | 32 | 30.28 | 19.30 | 0 | 77.34 | |
130030xx99xBxx | 非ホジキンリンパ腫 | 24 | 20.79 | 12.23 | 0 | 69.67 | |
130030xx99x7xx | 非ホジキンリンパ腫 | 21 | 28.57 | 12.54 | 0 | 73.90 | |
130060xx97x40x | 骨髄異形成症候群 | 17 | 25.71 | 18.57 | 5.88 | 76.59 | |
130040xx99x5xx | 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 | 14 | 33.21 | 14.69 | 0 | 72.21 |
解説)
血液内科では、血液に関する疾患全般(血液病・白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫など)を診療します。
当院では東8階病棟は全室無菌室となっており、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの血液のがんに関する各種検査や化学療法の他に造血幹細胞移植(自家・同種)も行っています。
※造血幹細胞移植(自家・同種)の症例は、厚生労働省のルールにより集計対象外となっています
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) | 129 | 4.36 | 2.57 | 0 | 65.63 | |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 | 36 | 7.06 | 7.60 | 0 | 56.78 | |
060020xx04xxxx | 胃の悪性腫瘍 | 32 | 8.53 | 7.45 | 0 | 73.53 | |
060102xx02xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 | 17 | 9.59 | 9.27 | 0 | 72.06 | |
060090xx02xxxx | 胃の良性腫瘍 | 16 | 5.88 | 5.96 | 0 | 65.38 |
解説)
消化管内科では、食道・胃・十二指腸・大腸などの消化管疾患を対象に診療を行っています。
当科で入院での治療を行った疾患の中では、大腸ポリープに対する内視鏡的切除術を行った症例が最も多く、次いで大腸憩室関連疾患(大腸憩室炎や大腸憩室出血)、胃がん(早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術など)の順に続いています。
診療を進めていく中で、腹腔鏡手術や開腹手術などが必要と考えられる場合は当院外科へ紹介するなど、各診療科と速やかな治療につなげられるように連携を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) | - | - | 16.40 | - | - | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | - | - | 20.78 | - | - | |
010080xx99x0x1 | 脳脊髄の感染を伴う炎症 | - | - | 15.94 | - | - | |
0400802299x001 | 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) | - | - | 9.71 | - | - | |
040081xx97x0xx | 誤嚥性肺炎 | - | - | 35.71 | - | - |
解説)
感染症内科はウイルス・細菌・真菌・寄生虫などによって起こるあらゆる感染症を診断・治療する診療科です。同じ感染症であっても、原因により治療の内容や効果のある薬剤は変わります。当科は感染症の治療だけではなく、その原因を特定することも重要な役割です。
当科で最も多い疾患は肺炎などの呼吸器系の感染症です。誤嚥性肺炎は入院期間が長くなりやすい傾向があり、嚥下障害があると再発しやすい疾患です。肺炎は感染症以外の原因でも起こるため、適宜呼吸器科にも相談しながら治療に当たっています。
次に多いのは髄膜炎など脳脊髄の感染を伴う炎症です。診断のために腰椎穿刺(ルンバール)と呼ばれる腰椎の間から針を刺して髄液を採取する検査などを行います。この疾患も原因が多岐にわたり、感染症以外の原因でも起こるため、適宜脳神経内科にも相談しながら治療に当たっています。その他、他の診療科で入院中の方の感染症治療に関しても、主治医の先生よりご依頼があれば連携して治療に当たっています。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 43 | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
大腸癌 | 20 | 20 | 17 | - | - | 30 | 1 | 8 |
乳癌 | 18 | 24 | - | - | - | - | 1 | 8 |
肺癌 | 18 | - | - | 25 | - | 16 | 1 | 8 |
肝癌 | - | - | - | - | - | 24 | 1 | 8 |
- 病期分類基準 1:UICC病期分類 2:癌取扱い規約
- 延べ患者数で集計しています。1人の患者さんが入退院を繰り返した場合は、複数回集計します。
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 40 | 10.05 | 46.95 |
中等症 | 90 | 17.93 | 75.11 |
重症 | 17 | 30.94 | 79.06 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
- 重症度分類はA-DROPスコアを用いた4段階で集計しています。
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
- | 57 | 20.70 | 73.47 | 33.30 |
- 転院率は(他の病院もしくは診療所へ転院した患者数/全退院数)で集計しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 35 | 4.54 | 10.49 | 8.57 | 81.06 | |
K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 14 | 7.07 | 15.50 | 0 | 71.64 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) | 10 | 1.80 | 9.10 | 10 | 69.30 | |
K6152 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) | - | - | - | - | - | |
K007-2 | 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 | - | - | - | - | - |
解説)
肝胆膵内科は主に内視鏡的胆道ステント留置術を行っています。なんらかの原因で胆管や膵管が細くなった場合に、ステントという筒を留置することで胆汁や膵液の流れを改善させます。
また、「内視鏡的乳頭切開術」 は、胆管や膵管の出口にある乳頭の筋を切開する処置です。胆石や膵管内の狭窄などに対応することがあります。
その他に、肝細胞癌を栄養する動脈だけにカテーテルを挿入して抗がん剤を投与したり、ゼラチンのような塞栓物質を入れたりしてがん細胞に栄養がいかないようにする血管塞栓術や、溜まった腹水を体外に取り出し、不要な成分を濃縮器で除去して必要な成分だけを体内に戻す胸水・腹水濾過濃縮再静注法(CART)を行っています。
放射線治療時に照射位置がわかるように目印をつける経皮的放射線治療用金属マーカー留置術も行っています。目印となる金属マーカーを置くことで、放射線治療の際に位置合わせの精度を高めて周囲の正常組織への放射線量を抑えることができる、というメリットがあります。
なお開腹が必要な手術、鏡視下での手術は外科で実施しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 40 | 1.60 | 3.78 | 0 | 66.45 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 32 | 4.28 | 12.47 | 3.12 | 74.13 | |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 20 | 1.95 | 2.70 | 0 | 69.75 | |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 19 | 3.47 | 9.84 | 0 | 78.63 | |
K597-2 | ペースメーカー交換術 | 12 | 1.33 | 8.67 | 0 | 78.25 |
解説)
当院で最も多いのは、経皮的冠動脈ステント留置術といって、冠動脈(心臓の血管)の中で、細くなったり詰まってしまった部分にカテーテルを使ってステントを留置する手術です。この手術は急性心筋梗塞・不安定狭心症・その他の心疾患のうち、どの疾患に対して実施するかなどの諸条件によってKコードが細かく分かれています。当科ではその他の心疾患にあたる労作性狭心症や無症候性心筋虚血に対して行うことが多いため、経皮的冠動脈ステント留置術(その他)の治療が最も多くなりました。
次いで、心房細動や心房粗動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術、下肢閉塞性動脈硬化症などに対する四肢における血管拡張術・血栓除去術、心臓のリズムが正常でない場合に必要なペースメーカーを埋め込む手術及び電池残量の少なくなったペースメーカー本体の交換をする手術と続きます。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 88 | 1.39 | 2.53 | 0 | 69.52 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 79 | 1.87 | 4.23 | 0 | 56.53 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 41 | 1.78 | 4.07 | 0 | 64.59 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 32 | 4 | 13.56 | 0 | 75.78 | |
K718-22 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) | 24 | 0.46 | 5.58 | 0 | 41.88 |
解説)
鼠径ヘルニアに対する手術を多く実施しています。鏡視下での実績が多い(K634)のが特長ですが、直視下での手術(K6335)も行っています。
次いで多いのは、胆のうを摘出する腹腔鏡下胆のう摘出術で、胆のう炎や胆のう結石(胆石)に対して行われる手術です。結腸の悪性腫瘍については2022年9月からは3D立体内視鏡システムを用いた手術(ロボット支援手術)も開始しました。従来からの腹腔鏡下手術も行っているため、両方を合算した件数をK719-3に計上しています。虫垂炎に対する手術も行っており、特に炎症が進んで虫垂の周りに膿がたまっている状態で行う手術は緊急手術となることがほとんどです。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K079-21 | 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) | 67 | 2 | 16.54 | 0 | 27.49 | |
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) | 54 | 2.83 | 28.61 | 50 | 74.74 | |
K0821 | 人工関節置換術(肩、股、膝) | 52 | 2.19 | 26.65 | 0 | 73.21 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) | 47 | 4.11 | 18.57 | 6.38 | 61.15 | |
K080-41 | 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) | 39 | 2.28 | 34.82 | 0 | 71.03 |
解説)
当院整形外科では、骨や関節、靱帯などの病気やけがに対して、手術による治療を行っています。
最も多い十字靱帯の靭帯断裂形成術は2018年3月から連携(開放型病院)をはじめた まえだ整形外科 博多ひざスポーツクリニックの前田先生とともに手術を行っています。スポーツ外傷が多いため、他の手術に比べて平均年齢が低い傾向にあります。
次いで、骨折した箇所をプレートやボルトで固定する骨折観血的手術や、膝などの関節自体を人工の関節に置き換える人工関節置換術などが続きます。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 14 | 3.14 | 19.21 | 14.29 | 74.71 | |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | - | - | - | - | - | |
K181-2 | 脳刺激装置交換術 | - | - | - | - | - | |
K1742 | 水頭症手術(シャント手術) | - | - | - | - | - | |
K1783 | 脳血管内手術(脳血管内ステント) | - | - | - | - | - |
解説)
前年度と同様に、慢性硬膜下血腫に対する慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多い手術でした。 外傷などにより数週間~数ヶ月かけて硬膜とくも膜の間に血腫ができることで脳が圧迫され、頭痛や認知機能の低下など様々な障害が発生する慢性硬膜下血腫ですが、治療法としては慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を行うことが多く、ほとんどが緊急手術となります。
次いで多かったのは、脳腫瘍に対する開頭手術です。この手術は脳にできた腫瘍を取り除く手術であり、腫瘍の場所や大きさ、症状によって手術のタイミングが異なります。症状が安定している場合は、経過を見ながら手術時期を決めることがあります。
また、脳刺激装置交換術は2022年度から外部の専門医師と連携して取組みはじめた手術ですが、現在も継続して実施しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 240 | 2.48 | 2.94 | 1.25 | 62.74 | |
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 232 | 2.23 | 5.15 | 0.86 | 73.43 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 206 | 1.70 | 5.83 | 4.37 | 68.92 | |
K841-21 | 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) | 111 | 2.24 | 5.74 | 0 | 72.56 | |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 91 | 2.20 | 9.40 | 0 | 67.38 |
解説)
当院泌尿器科では、尿路や前立腺、膀胱の病気に対して、症状や状態に合わせた手術を行っています。
手術上位5分類のうち、4つが経尿道的な内視鏡手術となりました。経尿道的とはもともとある尿の通り道から機器を挿入するため、皮膚をメスで傷つけません。最も多かったのは腎臓や尿管にできた結石を除去する経尿道的尿路結石除去術で240件でした。次いで、膀胱癌を切除する経尿道的膀胱悪性腫瘍手術で、当院ではアラグリオという薬を内服した後、青色の光を当てて腫瘍を蛍光色で光らせて切除する手術が可能です。次に水腎症などに対する尿管ステント留置術と続きます。前立腺肥大症に対して行うレーザー前立腺切除・蒸散術は111件でした。
内視鏡手術用支援機器を用いる腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術はda Vinciによるロボット支援手術のことで、91件実施しています。こちらは腹腔鏡下のため、腹部にポートと呼ぶ開口部を作る必要がありますが、開腹手術に比べて侵襲性が少なく、ロボット操作により、より精密な手術ができます。前立腺がん以外にもロボット支援下に膀胱全摘除術、腎部分切除術、根治的腎摘除術、腎尿管全摘除術、腎盂形成術を行なっています。当院では泌尿器科領域の悪性腫瘍(前立腺がん・膀胱がん・腎がん・腎盂尿管がん・精巣がん)に対する様々な治療を提供できる体制が整っており、ロボット支援手術の他、放射線治療(強度変調放射線治療)・化学療法・ホルモン療法などを実施しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 100 | 1.95 | 5.40 | 0 | 52.75 | |
K860-3 | 腹腔鏡下腟断端挙上術 | 75 | 2.08 | 5.09 | 0 | 67.20 | |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 54 | 1.70 | 4.67 | 0 | 47.46 | |
K872-31 | 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術 もしくは 子宮内膜ポリープ切除術 | 46 | 0.93 | 1 | 0 | 41.07 | |
K8654 | 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) | 29 | 2.66 | 5.72 | 3.45 | 78.28 |
解説)
2024年度は腹腔鏡下腟式子宮全摘術が100件と最も多い手術となりました。腹腔鏡下子宮全摘術では腹腔鏡下で行う場合とロボット支援手術の場合があります。ロボット支援手術は2023年8月よりはじめました。従来の開腹手術に比べ低侵襲で入院期間も少なく、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
また、加齢や術後の影響で起きる骨盤内臓器脱に対して行う腹腔鏡下腟断端挙上術も行っており、腹腔鏡下腟式子宮全摘術に次いで多い手術となりました。
その他にも子宮附属器(卵巣、卵管)にできた腫瘍を摘出する手術や、有茎粘膜下子宮筋腫、子宮内膜ポリープ切除術なども行っています。
当院では主に良性疾患に対する手術を行っているため、悪性腫瘍の検査や治療が必要な場合は近隣の大学病院などにご紹介しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 30 | 10.60 | 16.83 | 0 | 70.13 | |
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) | - | - | - | - | - | |
K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | - | - | - | - | - | |
K607-3 | 上腕動脈表在化法 | - | - | - | - | - | |
K6072 | 血管結紮術(その他) | - | - | - | - | - |
解説)
当院腎臓内科では、透析や腎疾患に関わる手術を行っています。
血液透析に必要なバスキュラーアクセス(内シャント、動脈表在化、透析カテーテルなど)を造設する手術や腹膜透析用のカテーテル留置術を実施しています。バスキュラーアクセスの狭窄や閉塞については、経皮的シャント拡張術・血栓除去術を第一選択として施行しています。
腎臓内科手術では、医師と相談して血管や腎臓の状態に合わせて最適な手術方法やタイミングを決め、安全に透析や治療が行えるように配慮しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 97 | 1.09 | 2.33 | 0 | 67.82 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | 37 | 1 | 3.03 | 0 | 60.51 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) | 34 | 1.12 | 6.56 | 0 | 73.44 | |
K722 | 小腸結腸内視鏡的止血術 | 20 | 0.60 | 7.15 | 0 | 71.35 | |
K6535 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(その他) | 16 | 1.06 | 3.69 | 0 | 66.19 |
解説)
当科で行う内視鏡手術については、大腸や胃・十二指腸などの消化管にできたポリープ・早期がんなどの粘膜病変に対する内視鏡的切除術が多いのが特長です。
内視鏡的切除は主に内視鏡的粘膜切除術(EMR)と内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の2つがありますが、どちらの方法で病変を取り除くかは病状や進行具合によって変わります。EMRは病変のサイズが比較的小さく、粘膜内にとどまった病変を取り除くのに適しています。ESDはEMRよりも病変のサイズが大きく複雑な病変に適していますが、その分手術が難しく時間がかかります。当院では大腸はEMR、胃はESDが多いのが特徴で、最多は長径2cm未満の大腸EMRの97件です。
内視鏡的手術では難しく、開腹や腹腔鏡下での手術が必要な場合は外科へ紹介するなどの連携をとっています。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 16 | 0.23 |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 20 | 0.29 |
異なる | - | - |
解説)
- DIC(播種性血管内凝固症候群)や敗血症では治療に際し大量の医療資源を投入する場合があるため、あらかじめ高額なDPC点数が設定されています。
- その他の真菌症は、真菌感染症のことです(ただし一部の真菌感染症はこのDPCに分類されません)
- 手術処置等の合併症は、手術や処置などを起因として生じた症状です。手術処置の内容や患者さんの状態に関わらずに起きる可能性があり、医療過誤(医療ミス)とは区別されます。
手術・処置等の合併症(詳細)
180040 | 手術・処置等の合併症の内訳 | 件数 |
---|---|---|
T828 | 心臓および血管のプロステーシス、挿入物及び移植片の明示された合併症 | - |
T818 | 処置のその他の合併症、他に分類されないもの | - |
T810 | 処置に合併する出血および血腫、他に分類されないもの | - |
T835 | 尿路系プロステーシス、挿入物及び移植片による感染症および炎症性反応 | - |
T814 | 処置に続発する感染症、他に分類されないもの | - |
T812 | 処置中の不慮の穿刺および裂傷、他に分類されないもの | - |
T813 | 手術創の理解、他に分類されないもの | - |
T827 | その他の心臓及び血管の人工器具、挿入物及び移植片による感染症および炎症性反応 | - |
T857 | その他の体内プロステーシス、挿入物及び移植片による感染症および炎症性反応 | - |
医療の質指標
医療の質指標については、医療機関の性質ごとに異なるため、他の医療機関の値との単純比較は困難なことにご留意ください。
また、医療の質指標転倒・転落発生率,転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率,d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ggについては対象となった患者さんの状態等による影響も大きいことにご留意ください。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
1,456 | 1,212 | 83.24 |
- リスクレベルが「中」以上の手術は、肺血栓塞症および深部静脈診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版 )」(日本循環器学会等)に準じて抽出しています。
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
1,575 | 866 | 54.98 |
- 令和6年度は世界的な血液培養ボトルの供給不足が発生しており、血液培養に必要な医療材料の出荷調整がかかっていました。
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
649 | 554 | 85.36 |
- (分母のうち入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者さんの数/広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者さんの数)*100で算出しています。
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
104,499 | 303 | 2.90 |
- 同じ患者さんが複数回転倒した場合は複数回で集計しています(Aさんが2回転倒→2回で集計)
- 様式3:(転倒・転落の発生件数/入院患者延べ数)*1000で算出しています。
- 発生率の単位はパーミル‰(千分率)での表記です(パーセントよりもより細かく把握することができます)
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
---|---|---|
104,499 | 12 | 0.11 |
- 同じ患者さんが複数回転倒した場合は複数回で集計しています(Aさんが2回転倒→2回で集計)
- 様式3:(転倒・転落の発生件数/入院患者延べ数)*1000で算出しています。
- 発生率の単位はパーミル‰(千分率)での表記です(パーセントよりもより細かく把握することができます)
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
2,857 | 2,686 | 94.01 |
- 様式1:(分母のうち手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数/全身麻酔手術で予防的抗菌薬投与が実施された手術件数)*100で算出しています。
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
101,618 | 16 | 0.02 |
- 褥瘡の深さについてはDESIGN-R 2020Depth(深さ)に準拠しています。
- 同じ患者さんに複数の褥瘡が発生した場合、1つでもd2以上の褥瘡があれば1人とします。
- 様式3(除外条件に該当する患者を除いた褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の新規発生患者数/除外条件に該当する患者を除いた入院患者延べ数)*100で算出しています。
【集計から除外する患者さんの条件】
①入院日と退院日が同じ患者さん
②入院時刻から24時間以内に発生した褥瘡(d1,d2,D3,D4,D5,DTI,U)をもつ患者さん
③入院時すでに褥瘡をもっていた患者さん
④調査対象期間より前に院内で褥瘡が発生し、対象期間も継続して入院している患者さん
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
---|---|---|
4,236 | 3,463 | 81.75 |
- 様式1:(分母のうち入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数/入院時年齢が65歳以上の退院患者数)*100で算出しています。
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
---|---|---|
86,788 | 3,415 | 3.93 |
- 1日のうちに身体的拘束の開始と解除を繰り返しても、1日で集計します。
- 様式1:(分母のうち身体的拘束日数の合計/退院患者の在院日数の合計)*100で算出しています。
- 2025/09/30
- 2024年度版公開
- 2024/09/19
- 2023年度版公開
- 2023/09/29
- 2022年度版公開
- 2022/09/29
- 2021年度版公開
- 2021/09/29
- 2020年度版公開
- 2020/09/30
- 2019年度版公開
- 2019/09/30
- 2018年度版公開
- 2018/09/28
- 2017年度版公開
- 2017/09/27
- 初版公開
【病院指標、医療の質指標をご覧になる方へ】
このページで公開している16項目の指標は厚生労働省「令和7年度 病院情報の公表」に定められた内容です。
集計の対象は2024年6月~2025年5月までの一般病棟の退院患者データですが、特定の条件に当てはまるデータは集計対象外となっています。
(特定の条件)
1入院期間中に複数の診療科で治療を受けている場合は主に治療している診療科に集計します。
10件未満の場合は「ー」で表記します。
定められた条件に則って集計しているため、院内の他ページに掲載している実績数と一致しない場合があります。
【用語解説】
DPCコード:
: 診断群分類番号とも呼び、14桁で構成されます。最初の6桁が病名、9と10桁目が手術(輸血含む)などで構成されており、どのような治療をしたか、重症かどうか、いつ発症したか、併存疾患の有無など様々な条件によって細かく分類されています。